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海行かば~(インタアーバンは面白い・その2) [海外電車汽車、今昔]

私の鉄趣味の中心であるインタアーバンの面白さを皆様にお知らせする(=ごり押しする?)このシリーズ(その2)はこの写真から~ramon-1R.jpg(1)

だたっ広い原野に線路が伸びてるだけじゃん!と見えますね。それにしては手前の線路が妙な具合ですけど~(知ってる人は黙っててね・・・)

mallard.jpg(2)実はご覧のように線路は水辺で切れています~ということは(1)の手前の部分はいったいどこへ~??

そうです!インタアーバン路線の一部が航路連絡になっていた!というわけです。この鉄道はサンフランシスコ(※1)を基点にカリフォルニアの州都サクラメントを経由して州北部のチコまで走っていたサクラメント・ノーザン(Sacramento Northern)というインタアーバンです。サンフランシスコに行かれた方はご存知でしょうが、あの町の周辺は海岸線が複雑で、湾が陸地深くまで入り組んでいて鉄道・道路は多くの長大な橋で海を渡ります~もともとはこの区間も橋を架ける予定だったのですが金が無く、とりあえずフェリーで開通したものの、廃止までこの形だったようで・・・。

ramon-3.jpg(3)ramon-2.jpg(4)サンフランシスコ北部のスースン湾(※2)というところで運行していたこのフェリー、最大で電車6両を乗せて海を渡っていました。

インタアーバンの路線の一部ですから、写真でご覧のように甲板に架線もしっかり張ってあり、電車はポールを上げて海の上を行きます。<RAMON>という船名のこのフェリー、無骨な外観に似合わず、カフェテリアなどもあったようですから、天気の良い日などは飲み物片手に心地よい風に吹かれつつ電車と一緒に海を渡る、という鉄には夢のような体験が出来たわけですね・・・

(※1)実際の起点はサンフランシスコの対岸、オークランドですが、営業廃止までのごく短い間、ベイブリッジを渡ってサンフランシスコまで乗り入れていました。起点から終点までの距離はかなりなもの~

SN589RL.jpg

(※2)オークランドから山を越えたところと、サクラメント方面との間に広がる浅瀬の湾で、競合するSPなどの鉄道は橋を架けて渡っています。SN589R.jpg                       矢印の部分がフェリー連絡でした

(5)sn066R.jpg  この鉄道のサンフランシスコ~サクラメント方面直通列車はこんな編成が多かったようです。木造車と鋼製車がぞろぞろ繋がりラストは展望デッキ付パーラーカーという編成。フェリーに乗るときは3両ずつに分割して海を渡っていました。

670.jpg(6)アメリカの電車線ですから当然物輸送もやってました~貨車を積むフェリーは他の鉄道にくありますし、ヨーロッパでは客車航送は今でも見られますが、電車や電気機関車がそのまま運ばれるのは例が無いですよね。この凸形電機は模型にもなっていてトロリーファンには有名です~私も実物をLA近くのトロリーミュージアムで対面して感激(↓)したことがあります。OETM SNEL01R.jpg(7)   この鉄道の電車や電機はポール+パンタ、ポール+サードレールシュー、更に3つすべて(!)装備もありました。

(8)両端の桟橋ではフェリーが接岸するたびにゆっくりと電車が出入りします。どのようなダイヤになっていたかはよくわかりませんが、フェリーは<RAMON>ただ1隻だったようですからトンボ帰りのハードワークだったのでしょう~sn097R.jpg

桟橋の線路の構造は潮の干満に対応して上下可動するようになっているなど、青函や宇高航路のものと同じですが、架線が張ってあるのはインタアーバンならではですね。家にあるVHSヴィデオで見ると、フェリーと桟橋の架線の接続はかなりいい加減で、ポールから盛大に火花を散らしながらフェリーから出てくる電車が印象的でした。

しかし、都市間連絡というのがインタアーバンの使命とすると、この輸送形態では競争には勝てなかっただろうと思います。洪水による線路被害などもあって、実際に航路を含むサンフランスコ寄りの区間は早く消えていきました、北寄りの区間はDL化した貨物鉄道として残った区間もあったようです。

というわけで、カリフォルニアはサクラメント・ノーザン、海を行くインタアーバン」お話はこのへんで・・・

(6)以外はアメリカのサイトより=禁転載


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コメント 24

やまびこ3

架線まで張ってあるとはすごいですね。
架線の接続はどうやってやっていたのでしょうか。

by やまびこ3 (2012-02-26 15:40) 

Cedar

■やまびこ3様
電気的接続は接岸の度にケーブルで行っていたようです。桟橋とフェリーの架線の端部は可動式になっていて、大雑把に高さを合わせ、ポールが通過する時は車掌がコードを操ってはめ変えている映像を見たことがあります。


by Cedar (2012-02-26 18:29) 

Cedar

★undo様
★gorosan5670様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2012-02-26 18:32) 

なにわ

6両で突っ走っている写真、参宮急行をほうふつさせますね。

で、ベイブリッジ、キーシステムが有名ですが、
http://www.usrail.jp/et-gold.htm#4-5
に出てくるループ線もこういう編成を折り返さずに済ませるためだったのでしょうか。
by なにわ (2012-02-26 18:42) 

Cedar

■なにわ様
SNと参急、運転距離の長さは似ています。
ベイブリッジのループ、私が初めてサンフランシスコに行った時は高架道路として残って電車駅も「トランスベイターミナル」というオークランド方面へのバスターミナルになっていました。

by Cedar (2012-02-26 19:16) 

manamana

これは、びっくりしました。
架線も張って電車のまま船に乗ってしまうなんて。
火花を散らせている姿、見てみたかったですね。
by manamana (2012-02-26 20:49) 

利きゅう

ポールカーの6連なんて日本では考えられませんね。インターアーバンは奥が深そうです!!
最近は皆さまのホームページやBSの鉄道旅行番組の影響で海外の鉄道にも興味が出てきました。

虎模様?の凸型電気機関車は、昔の名鉄の電気機関車のようです。

電車を船舶で運ぶのは現在、ドイツのICEがありますね。
ハンブルクとコペンハーゲンを繋ぐルートでICEの列車がそのままフェリーでトラックなどと一緒に運ばれます。通称「渡り鳥ライン」と言うらしいです。
http://www.bs-j.co.jp/germany_train/vol13.html
by 利きゅう (2012-02-26 21:09) 

のり

みなさまコメントされていらっしゃいますように、本当に凄い光景ですね。連絡線に架線が張られているのが驚きです。
ふと、近鉄奈良線建設時に構想に上がっていたインクラインで電車を上げ下ろし・・・がもし現実のものだったら・・・、などと考えてしまいました。
by のり (2012-02-26 21:11) 

Cedar

■manamana様
このフェリーを取り入れたHOのトロリーレイアウトをアメリカの鉄道雑誌で見たことがあります。
彼の地でも珍しい光景なのでしょう。
■利きゅう様
シカゴのインタアーバンではポールカーの7連が7本のポールを上げて120km以上で突っ走る光景が見られたそうです。
アメリカってハイテクなのかローテクなのかよくわからない国ですね。
渡り鳥ルートは一度通ったことがります。その時はDCと客車が航送されていましたが機関車は乗っていませんでした。
■のり様
技術・資本の貧弱さが生んだ風景が、後まで残っていた例ですね。このインタアーバン、起点のサンフランシスコでは当時出来たばかりのベイブリッジを渡っていたのですから面白いです。当時の最先端と時代遅れの風景が同居した電鉄だったわけです。
by Cedar (2012-02-26 21:28) 

Cedar

★COLE様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2012-02-26 21:30) 

maipenrai

実は船も好き(笑)な私にはタマらない写真でした。ビール片手にオープンデッキで潮風に吹かれていたら最高でしょうね。
by maipenrai (2012-02-26 21:53) 

Cedar

■maipenrai様
鉄道連絡船は日本では過去のものになってしまいました。かつて宇高航路で快晴の瀬戸内海を渡った時は気持ちよかったです。片手にはコーラでしたが・・
by Cedar (2012-02-26 22:31) 

Cedar

★gardenwalker様
nice!ありがとうございます

by Cedar (2012-02-26 22:45) 

EF510-230

利きゅう様、お言葉ですが、ICEは電車でなくディーゼルカーの方です。電車の航送があったとは驚きです。私は航送の経験は、ナイトフェリーでイギリスからフランスにドーバー海峡を寝台車に寝たまま渡ったことしかありませんが、このフェリーは佃島の渡しみたいですね。当然、乗客は車内に乗ったままだったのでしょうね。
by EF510-230 (2012-02-26 23:59) 

利きゅう

これは早とちりをしておりました。テレビでICEを見て電車と思い込んでいました。DCが造られていたんですね!
失礼いたしました。
Cedar様、EF510-230様ご教示ありがとうございます。
by 利きゅう (2012-02-27 01:28) 

はーさん

Cederさんのお陰で、アメリカのインター・アーバンの虜になりました。
シカゴからインディアナ州サウスベンドまで行くSouth Shore Line はインターアーバンの生き残りのようで、8両編成の高床式電車が併用軌道をはしるところもあるようです。
 http://www.nictd.com/index.html
15年ほど前にシカゴに出張した時、見かけましたが、乗る時間がありませんでした。また、その際、有名なLoopに乗ろうと思いましたら、現地の代理店のアメリカ人から決して乗っては駄目と言われました。危険なのか?と言いましたら、Educated Peopleは決して電車に乗らないものだと言われました。
ニューヨークやボストンの地下鉄には乗ったことがありますのでLoopに乗ってはいけないということはないとは思いますが?
乗られたことありますでしょうか?
South Shore Line の沿線には全米で最悪の治安と言われるGaryがありますので、乗るのはやや怖いと思いますが、乗られた方はおられますでしょうか?
by はーさん (2012-02-27 14:40) 

Cedar

■EF510-320様
■利きゅう様
やはり電車が乗れるフェリーは少数派のようです。イタリアのシシリー島へは電車航送されてるようですが、船内に架線は無く入れ替えはDLがやってるようですね。
■はーさん様
このシリーズは貴殿のような方を増やすためにやってるのです!シカゴではLOOPに乗りましたが、エデュケーテッドなホワイトカラーで満員でしたよ。
サウスショアもついにダブルデッカーの電車になりつつあり、インタアーバンの面影は薄れましたね。ミシガンシティの併用軌道はクルマの中から見ました。確かに沿線の治安は⁇って感じです。
かの地では電車やバスが残ってる=クルマが持てない層が多いエリアってのが常識ですから。


by Cedar (2012-02-27 16:46) 

Cedar

★hanamura様
★あおたけ様
★シュウチャン様
nice!ありがとうございます



by Cedar (2012-02-27 16:50) 

EF510-230

そうです。シシリー島がありましたね。
ベルギーには跳ね橋がたくさんあって路面電車がそこを渡っていますが、中には勝鬨橋の2倍くらいあるでかいのもあり迫力です。
by EF510-230 (2012-02-27 18:30) 

なにわ

ありましたねえ、イタリア鉄道のET601、半世紀以上前の電車ですが、電動車、制御車、調理室付き制御車、全て両運転台だったような気がします。

シシリー島からの航送車輌を含めて、あちこちからの電車が一本にまとまって10両でローマに走っていた様は阿川弘之(今は阿川佐和子の父親と書かないとわからない人も多いのでしょう)の南蛮阿房列車(すでに絶版ですが、図書館にはあるかもしれません)の第一か第二にありました。

さて、ICEといいましても、全てが高速新線用車輌ではありません。
ICE-Tは、実質上在来線用特急電車ですし、ICE-TDはたしかに気動車です。
あまりの欠陥車のために、使いどころがなかったのですが、
http://www.rig-bahn.jp/db-page/j-ice-td.htm
によりますと、IC3(北海道のキハ261やキハ283が内装を参考にしている)の老朽化にも関わらず、後継車のないデンマーク鉄道が使い出したようです。
http://www.rig-bahn.jp/db-page/j-vt11_5.htm
によると、気動車の航送には歴史とノウハウが相当あるようですから。
by なにわ (2012-02-27 18:30) 

Cedar

■ EF510-230様
■なにわ様
ヨーロッパのことはさておき、wikipediaでサクラメントノーザンのことを調べていたらアメリカにはもうひとつフェリーを使ってたインタアーバンがあったようです。
by Cedar (2012-02-27 22:58) 

京葉帝都

船の上の電車が通電しているのだろうか、と想像するだけで楽しいです。
橋を架けるよりも労働集約的な連絡船にしたほうが現実的だったのかもしれません。
西海岸のインターアーバンは武骨な東海岸のそれに比べて、小ぶりで温和な表情に見えます。
サクラメントノーザンRが記録されたVHSビデオはどこから出版されていたのでしょうか。

by 京葉帝都 (2012-03-03 02:06) 

紅玉国光(富山市)

鉄道黄金時代の米国では各所の沿岸、湾口、大河川で鉄道連絡船や艀(無動力:曳船でひく)による車両航送が行われており、現在でも貨車の航送はある様ですが(NYの湾口、ハドソン河等)、
電車を!しかも営業運転中に!航送すると云うのは、日本人の感覚からすると、驚かされますね^^。
しかし、SNは、SPの鉄橋を電化して共用させて呉れ、とは言わなかったのでしょうか?(貨物列車のダイヤが輻輳していて割り込めなかった?資本系列の関係?)

思えば、BARTの開業迄生き残って居られたなら、(BARTの方も、標準軌間・架線集電で建設されねばならぬ事になりますが)高規格化して、サンフランシスコ市内~サクラメント直通の「北部カリフォルニヤ新幹線」が実現していたかも知れぬのに……。
何と勿体無い……。
by 紅玉国光(富山市) (2012-03-09 00:58) 

Cedar

■紅玉国光(富山市)様
SNはWPの系列でしたからSPのマルチネスブリッジには乗り入れられなかったようですね。あくまで仮に・・って思っていたらインタアーバンの時代が終わってしまったってことですね。
BARTのコンコード方面の区間はSN路盤を使っているところもあるようです。
by Cedar (2012-03-09 19:21) 

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