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NY映画の傑作『裸の街』の鉄シーン(その2) [映画・音楽]

1回お休みしましたが、前回に続いて、1948年の映画『裸の街』の鉄シーンのご紹介。

裸の街36.jpg
裸の街36ー2.jpg裸の街36ー3.jpg
(1~3)NYの街と人を、写真集のような鋭いアングルで切り取り、カットを短く積み重ね物語を進行していく手法は今見ても斬新、ちらちらと出てくる鉄シーンも印象的です。

ちょっと長いですが、ガマンして見てね。
 


裸の街11-4.jpg(4)
病院車の出動から殺人事件捜査が動き出します~この街並み!NYだあ~!裸の街11-1.5.jpg(5)
深夜の女性殺人事件の捜査に奔走、NYの街を縦横無尽に走り回る刑事たちと、指揮する警部の活躍がドキュメンタリータッチで描かれます。
NYフェチCedarには、当時のマンハッタンの風景をテンポよく見せてくれるのがいいです。

裸の街14.jpg(6)
例えばこれ、マジソンスクエアガーデンと一体化する前のペンシルバニア駅のタクシーデポです。
コリント様式の壮大な駅舎(↓)の建替えは、反対の声も高かったらしいです。
PSTN.jpg
(7=USサイトの参考写真)今残ってたら、NYのランドマークだったのに・・・。

裸の街13ー1.jpg(8)裸の街13.jpg
(9)NYにも2階バスがあったのは驚きだし、
(10)Cedarが始めてアメリカ行ったときはまだ走っていたガイコツ顔+バス窓が懐かしい。
裸の街21-2.jpg
ロケ場所はタイムズスクエアですね。

昭和の東京のような1940年代真夏のマンハッタン~裸の街21.jpg(11)
裸の街13ー2.jpg(12)
人々の姿も印象深い~映画のキャプチャーだけど写真集みたいです。
裸の街18.jpg(13)
当時はイーストリバーで泳げたんですね!ついでに土左衛門まで見つけちゃう!裸の街18-1.jpg(14)

ブロンド美人の殺人事件は好奇心を煽る新聞記事でたちまち街の噂に・・帰宅時の地下鉄車内のそんな様子が描かれる。
(15)
裸の街15-1.jpg
裸の街16-2.jpg
(16・17)『バスタブに若いモデル、死体で発見!』の大見出しが・・
裸の街15-2.jpg裸の街16-3.jpg
(18)

(19)通勤客を乗せ、郊外の住宅地に向かう電車も登場します。裸の街16.jpg
近鉄南大阪線の電車のような重苦しい車体、リベットだらけの大形車(※)がマンハッタンとブルックリンを結ぶウイリアムズバーグ橋(Williamsburgh Bridge)を渡ってきます。ご注目は地下鉄の左下・・・
裸の街16-1.jpg
拡大したらボケちゃいましたが、地下鉄の下側をトロリーが走るのが見えます!コレはお宝です。

イーストリバーの全ての橋に昔は路面電車がありましたが、ウイリアムズバーグ橋には1948年(映画公開の年)まで、こんな電車(が走っていたのでした。


裸の街33‐1.jpg
(20)例によってのUSサイト参考写真、右側は地下鉄の線路です。


ブルックリン側から橋を見た昔写真。地下鉄電車は映画と同じ(※)です。地下鉄と路面電車の線路が複々線で橋を渡ってますが、映画の頃とは配置が違うように見えます。
裸の街33‐6.jpg(21)
この路面電車はピーターウィットカー(Peter Witt Car)と呼ばれるタイプで、Cedarはイタリア・ミラノで同じタイプに乗りました。


この橋には地下鉄は今も走っていて、2007年のNY訪問時に電車で渡ってみました。川の手前はロワーマンハッタン、ここもかつてはユダヤ、東欧系などのゲットーが広がっていた地区です。

対岸のブルックリン側はユダヤ系の多い住宅地ウィリアムズバーグ(Williamsburgh=橋の名前の由来)。
裸の街33.jpg(22)
ブルックリンサイドの一つ目の駅、マーシーアベニュー(Marcey Avenue)橋をバックに電車が撮れます
ここから先は道路上の高架線です。裸の街33‐4.jpg
裸の街33‐3.jpg
(23・24)以前も書きましたが、EL(市内高架線をアメリカではこう呼びます)の騒音と振動がひどいので、沿線は中級~下級の住宅地です。
今でこそだいぶ変わったようですが、撮影当時のウィリアムズバーグは治安の良い場所ではなく、駅撮りでそそくさと帰ってきました。
裸の街33‐5.jpg
(25)こちらは橋の開通当時、1910年代始めの姿です(Brooklyn Public Libraryのコレクションから)、キューポラ屋根の建物は当時からあったのですね。橋に行く線が分岐だった当時の信号所も残っていますが、何のためにあるのでしょうか?


(※)映画に出てくるのはこの電車、BMT STANDARD-Aというタイプです。
裸の街33‐7.jpg
(26)ダブルルーフ風のベンチレ-ター。一見3ドア、実は6ドア、アクの強いデザインですね。 


そろそろ映画に戻ります。

事件の翌日、人々の関心は更に高まり・・・・裸の街17-7.jpg(27)

殺人現場は物見高い野次馬で大混雑、記念写真は撮るわモノ売りは現れるわ・・
裸の街18-0.jpg(28)

警察も捜査に大わらわ~アパーウェストのブロードウェイ(と思います)を疾走するパトカーのカット。足元に見逃せないものが〜!

裸の街19.jpg(29)
拡大してみまーす。
裸の街19ー2.jpgNYに広範な路線網を持っていた3番街電気軌道(Third Avenue Electric Railway System)の軌道が写ってるんです!

マンハッタンは規制で架線が使えず集電は中央埋設サードレール、その様子もバッチリ写ってますね。


裸の街34.jpg
(30=USサイトより)こんな感じで、ポールの無いズンベラ屋根の電車がマンハッタンのアベニューやストリートを走っていました。中央の溝の中にサードレールがあります。


さらに別の鉄シーン。
容疑者と目星付けた男を襲った犯人(この辺の人間関係はDVD見て下さい)を取り逃がすシーンでは、再び3番街高架鉄道(Third Avenue EL)の駅が登場します。
裸の街20-2.5.jpg裸の街20-3.jpg裸の街20-4.jpg裸の街20-3.5.jpg
(31~34)薄暗く古びた駅や階段~シカゴやボストン、フィラデルフィアの駅と似ていますが、共通規格があるんでしょうか?
当時のフィルム感度で夜間ロケやってるのもチャレンジです=ハリウッドなら『アメリカの夜』=疑似夜景にするでしょう。
EL01.jpg
(35=USサイトより)
ELって都市風景としては絵になるんですが、周辺環境は???

路面も高架もどちらも『サードアベニュー』ですが会社は別、路面電車はれっきとした社名
=由来はサードレールだったから?

もちろんうそです。

とかとか、NY好き&鉄好きのCedar、そのロケーションに釘付けです。

最後に映画のクライマックス、ウイリアムズバーグ橋のシーンを鉄視点でご紹介します。

警察に追い詰められつた犯人は発砲してしまい、ますます追い詰められていく。裸の街23-5.jpg(36)裸の街24-1.jpg(37)
銃声に気付いた警官たちが橋に殺到する・・・・


橋開通からしばらく経ったころのマンハッタン側=(37)の場所ですね。裸の街33‐6.7.jpg裸の街33‐6.9.jpg
(38)橋の袂の地下に高架鉄道とトロリーの始発駅がありました。地上にはマンハッタンの路面電車の終点。
その後、地下鉄はマンハッタン都心方向に延長され、今も営業中です。

裸の街33‐6.8.jpg(39)
撮影のときには、地下にこんなターミナルループがあったのですね。


(40~44)
裸の街24-1.5.jpg
裸の街24-2.jpg

逃げる犯人を地下鉄が追い抜いていく。

裸の街24-4.jpg裸の街24-8.jpg裸の街24-7.jpg

橋の上のさまざまな人、鉄骨の構成美、カッティング・編集のリズムも良く、サスペンスを盛り上げます。

(45)橋上を走る地下鉄~独特な屋根の形から、BMT STANDARDでしょう。裸の街24-6.jpg


(46=USサイトより)映画のころ線路はこんな感じだったようですが・・
WBB.jpg
裸の街36ー4.jpg(47)
竣工断面図です、もともとは鉄道が3ルート走る予定だったんですね。

・・・・なんてウンチクたれてるうちに、犯人が塔屋上に追い詰められました~裸の街24-11.jpg裸の街24-15.jpg裸の街24-14.jpg
(48~50)逃げられないとわかっていても、高いところに逃げるのは、キングコングに始まるアメリカ映画の伝統か?

ついに力尽きた犯人は塔屋から落ちていく・・・裸の街24-15.5.jpg(51)裸の街24-16.jpg(52)

ラストは都会の無常を感じさせて終わります。
読み捨てられた新聞がごみに・・・都会では事件もすぐ忘れられる・・・
(53~55)
裸の街25-1.jpg裸の街25-2.jpg
裸の街25-4.jpg


監督のジュールス・ダッシンは、その後悪名高き『赤狩り』でアメリカを追われ、ギリシャで映画製作を続けました。
裸の街25-6.jpg
(56)この映画、NY好きにはお勧めです。
ドキュメンタリー的に街の空気とらえ、劇的効果を高める手法はのちの映画に影響を与えています。

とかとか、
不人気な海外ネタ+映画ネタで頑張ってしまった=またアクセス激減だあ嗚呼嗚呼~!

ではまた。


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コメント 14

シグ鉄

アクセスしてまっせ。
21番のウジャウジャ写真!
どれがどう来てどうなるのか? うーむ凄い!
by シグ鉄 (2015-11-30 18:33) 

Cedar

■シグ鉄様
不人気海外ネタに御慈悲ありがとうございます。21番の線路配置図は何かに出ていたのですが思い出せない。
ほんとの謎は(19)です。橋上は右側通行のはずなの地下鉄は画面奥から走ってくる(つまり左側通行)し、トロリーは正しく奥に向かって走ってるし、2007年と全く違う線路配置になってるんです。
★AKI様
★やまびこ3様
nice!ありがとうございます

by Cedar (2015-11-30 19:01) 

八犬伝

凄いな
超大作ですね。
by 八犬伝 (2015-11-30 21:07) 

ひでほ

立派な鉄橋を行く路面電車にそそられました。
by ひでほ (2015-11-30 21:17) 

Cedar

■八犬伝様
ホントは2回に分けるつもりでしたが、人気無い海外ネタなんでまとめちゃいました。退屈な超大作=ポルトガルの映画監督マヌエルデオリヴィエイラ?
■ひでほ様
NY最後の路面電車は、クイーンズボロブリッジ上を走っていました。橋と路面電車、日本にはこういうダイナミックな路線はないですね。

★剛力ラブ様
★モボ様
★hanamura様
nice!ありがとうございます

by Cedar (2015-11-30 22:07) 

Cedar

★mangahara様
★nd502様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2015-12-01 08:39) 

京葉帝都

(7)ペン駅:丸い支柱が並ぶ姿は壮観、解体は残念。ホームに降りる階段の手すりに往時の面影が残っていました。
(26)BMT Standard-A :NY地下鉄博物館にドアが両引分けに見えて実は真ん中に方立があって片引きが並んでいるタイプの古い車両がありましたが、これだったのかもしれません。
国内ではレインボーブリッジを渡る“ゆりかもめ”にはワクワクしました。
神通川に架かる富山大橋の市内軌道や庄川河口を渡る万葉線は絵になります。
by 京葉帝都 (2015-12-01 13:07) 

Cedar

■京葉帝都様
シーンByシーンでのレス、ありがとうございます。
(26)の電車、まさしく地下鉄博物館に保存されていて、Cedarも確認しています。
時折本線を走るようで、日本に比べて羨ましいですね。
by Cedar (2015-12-01 16:06) 

Cedar

★ぷっぷく様
★arail206様
nice!ありがとうございます


by Cedar (2015-12-01 23:13) 

motosan

(21)番の写真は痺れます! ピーターウィットカーは、カナダのトロントで、観光用として市内を走っていたのを撮ったことがありました。35年も前だが、今はどうしているのやら。道路・鉄道・人道併用橋も、そそられますね。NYには敵わぬが、レインボーブリッジをゆりかもめで渡ると、NYのシーンを連想してしまいます。
by motosan (2015-12-01 23:37) 

Cedar

■motosan様
皆さん(21)には惹かれますね、実はCedarも・・・何かの本に(BrooklynTrolleyとか?)手描きの線路配置がでていたんですが・・・
日本では瀬戸大橋かレインボーブリッジでしか、電車で吊り橋渡れないのが残念です。NYだとマンハッタンブリッジは地下鉄が2ルートだったりしますね。

★gardenwalker様
★ぷっぷく様
★arail206様
nice!ありがとうございます


by Cedar (2015-12-02 01:06) 

Cedar

★あおたけ様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2015-12-02 10:29) 

hideta-o

Cedarさま
大阪のユニバーサルスタジオジャパンに、(7)のペンステーションを写した建物があります。小さいですが。
http://ho-blog.blog.so-net.ne.jp/2009-09-13
by hideta-o (2015-12-12 16:29) 

Cedar

◼︎hideta-o様
ユニバーサルスタジオはまだ行ってないです。
ペン駅のレプリカがあるとは知りませんでした。地下鉄の入り口はユニオンスクエアに同じものがありました。
by Cedar (2015-12-13 01:58) 

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